【フィリピン株】SMインベストメント【銘柄紹介】
フィリピン株の一つ、SMインベストメンツコーポレーション(SM INVESTMENTS CORPORATION)を紹介します。
私が保有している銘柄の一つです。なお、以下は2016年のSMのアニュアルレポートをもとに記事にしました。今後も同社のアニュアルレポートが出ましたら、随時内容をアップデートしていく予定です。なお、フィリピン株に投資している理由は、過去記事にしていますので、そちらをご覧ください。
【事業】
SMは持ち株会社であり、傘下に実際の事業を遂行する会社を保有しています。財閥です。SMグループの主な事業は3つです。小売り・不動産・金融です。
1)小売り
傘下にSMリテールインク(SM Retail, Inc.)を持ちます。2016年末において2303の店舗を有し、売上高は前年比で8.4%、純利益で7.4%の成長をしています。小売りの業種は、百貨店、スーパーマーケット、ハイパーマーケット、家具専門店など様々で、フィリピンの小売りの第一位です。
日本の企業との関係でいえばファストリテイリングと合弁会社を設立し、フィリピンでユニクロを販売しています。ユニクロがフィリピンで評価されれば、世界第4位の人口を持つ消費者は、強力な成長ドライバーとなるでしょう。
2)不動産
大型所ピングモール開発・運営を行うSMプライムホールディングス(SM Prime Holdings,Inc)を傘下に持ちます。これは上場会社です。フィリピンでは60のモールを運営しており、中国においてもモールを有しており、すでに7つのモールがあります。売上高は前年比で11.9%の成長をみせています。
また、住宅用物件(コンドミニアム)・オフィス用物件を扱うSMディベロプメントコーポレーション(SM Development Corporation)も傘下に持っております。これは上場会社ではありません。
3)金融
BDOユニバンク(BDO Unibank, Inc.)とチャイナバンキング(China Banking Corporation)を傘下に持ちます。BDOは、1104の支店と3655台のATMを持つ、フィリピン第1位の銀行です。チャイナバンキングも同様にフィリピンを代表する銀行で、資産規模でいえばフィリピン第6位の銀行です。
フィリピンは世界第3位の英語利用国で、海外で働く出稼ぎ労働者が数多く存在します。そのため出稼ぎ労働者からフィリピン国内への送金額がGDPに対して占める割合が大きく、その際に機能するのが銀行です(仮想通貨が発達するとこの事業もどうなるかよくわかりません)。
日本企業との関係で言いますと、BDOは、三菱モーターのフィリピンの現地法人とのジョイントベンチャーを作り、自動車ローンを提供しています。
売上など
PL
2015年 2016年
売上 3328億 3628億
営業利益 2713億 2959億
純利益 437億 477億
いずれも前年比で約8%増
BS
2015年 2016年
総資産 7855億 8615億
負 債 4015億 4467億
純資産 3840億 4148憶
評価
日本では戦後にパワーの分散を目的に財閥が解体されましたが、フィリピンでは財閥が今でも大きな力を持ちます。SMはフィリピンの財閥の一つで、フィリピン財閥の中でも最大級です。上にも書きましたが、それぞれがフィリピン最大級の小売り、銀行、不動産を傘下に抱えております。今の10ー20代のフィリピン人(しかも最大の人口層)が購買力を持つとき、当然に小売り、銀行、不動産の需要が増えていくので、フィリピンは大きな経済成長を遂げるでしょう。これは日本の高度経済成長をみると明らかといえます。その際、日本のバブル期のように、SMも発展していくと考えています。
【フィリピン株】SMインベストメント【銘柄紹介】