サラリーマンが投資で1億円を目指す道中記

サラリーマンによる投資活動を記録するブログ。個人投資家全員に幸あれ。

【ソーシャルレンディング】ラッキーバンク、証券取引等監視委員会から勧告

f:id:masai0823:20180224193958p:plain

嬉々として今週の土曜にラッキーバンクのファンドに投資したのに、このニュース。

ラッキーバンクに証券取引等監視委員会から勧告がなされました。「みんなのクレジット」とは異なり勧告ですんでいます。

 

【勧告内容】

ラッキーバンク・インベストメント株式会社に対する検査結果に基づく勧告について:証券取引等監視委員会

 

【過去記事】

なお、先週にラッキーバンクのファンドに投資してました・・・

toushi-salary.hatenablog.com

 

 

1 勧告の内容

貸付先に対する審査の怠り

 

さて、勧告の内容を見てみましょう(一部編集)。ちなみに以下のXは、ラッキーバンクのほとんどの貸付先となる、田中代表取締役の親族が経営する不動産事業を営む会社のことを言います。

 

 

 当社(ラッキーバンク)は、ウェブサイト上で公表している取引約款等において、貸付事業に係る貸付先の選定に関し、「借入人から借入れの申し込みがなされた場合には、あらかじめ当社が定める内規に従い審査を行い、当社が適当と判断する申込みについて、ファンドの募集手続に付す。」旨を、また、広告サイトにおいて、「当社は、借入申込者の信用力を厳密に評価します。提出書類(決算書・事業計画書・収支計画書など)に基づき融資の可否を判断します。」旨を表示しているが、・・・X社より提出された財務諸表において、売却契約の締結に至っていない物件を売上に計上するなどして、純利益や純資産が水増しされているにもかかわらず、これを看過していたほか、X社が手掛ける複数の不動産事業について事業期間が延長となる事態が発生し、この間、X社は売却資金を得られず、平成29年3月以降に償還期日を迎えるファンドに係る借入金の返済が困難な状況となっていることを認識したにもかかわらず、その後もX社を貸付対象先とするファンドの募集を継続している。
 以上のとおり、当社のウェブサイト上等の表示は、一般の出資者が読んだ場合、当社において、貸付先の信用力を評価するための具体的かつ客観的な内部基準に従った審査が行われるなど、慎重な手続によって貸付先の審査が行われているとの認識を与えやすいと考えられるところ、当社においては、上記のとおり、慎重な手続によって貸付先の審査が行われているとは認められない状況にあり、出資者の投資判断に重大な影響を及ぼすと認められる貸付先の審査について、あたかも、慎重な手続きによって行われているかのような誤解を生ぜしめるべき表示を行ったと認められる。

 

【要約】

① ラッキーバンクの社長の親族が経営している会社が専らの貸付先だったが、

② HPに貸付先を厳格に審査する旨を唄っているが、純利益の水増しなどの粉飾決算を看過していた、

③ Xに関するファンドの回収が困難な事実が生じたにもかかわらず、 Xを貸付先とするファンドの募集を継続している、

④ 審査を慎重に行っているというHPの記載は誤解を生む。

 

担保物件の評価が誤解を生みやすい

当社は、X社が保有する不動産に担保を設定して、X社への貸付けを行っているファンド318本のうち252本について、「不動産価格調査報告書」を当社ウェブサイト上の募集要領に掲載しているが、当該報告書は、正式な不動産鑑定評価を行った上で作成されたものではなく、対外的に公表できない不動産価格をウェブサイト上に掲載し、ファンド出資持分の募集を行っている。
以上のとおり、当社は、出資者の投資判断に重大な影響を及ぼすと認められる担保評価について、誤解を生ぜしめるべき表示を行ったと認められる。

 

【要約】

ラッキーバンクは担保の評価を「不動産価格調査報告書」でレポートしているが、それは不動産鑑定評価を元に作成したわけではなく、対外的に公表できない価格をHPに記載していた。

 

2 分析

昨年、「みんなのクレジット」が集めた資金を別ファンドの償還に当てていた等を理由に、業務停止命令を受けています。これと比較して、ラッキーバンクへの処分は軽いものと言えます。その意味ではみんなのクレジットのような自転車操業を行なっていたわけではありません。また、ソーシャルレンディング事業者から関連会社に一次的な貸付をすることも珍しくはありません。maneoやlcレンディングのファンド募集ページをみていただければわかると思います。

 

「不動産事業者」とあるのみで関連会社であることを明らかにしていません。それに加えて、貸付先を厳格に審査すると言いながら審査していないこと、回収見込みの薄くなった事業者に対して継続的にファンドを作成していることは、ラッキーバンクのソーシャルレンディング事業者としての信用を毀損するものであり、投資家として見逃すわけにはいきません。次に不動産評価についてですが、正直よくわかりません。ownersbookのように、明確に不動産鑑定士を含む専門家を利用して不動産を評価していると言っているサービスもあります。この点はさまざまでしょうか。ただし、証券取引等監視委員会がいう「対外的に公表できない価格」が気になります。この意味するところが全くの合理性のない価格設定ということであれば、全件不動産担保ありというラッキーバンクの触れ込みも全く意味のないもので、関係がズブズブの会社に単にお金を回している会社ということになります。

 

ラッキーバンクは、勧告を受けて

弊社は、今般の検査結果を踏まえ、改善策を策定・実施し、皆さまからの信頼向上に向け、全役職員一丸となって取り組んでまいります。 

また、本件詳細につきましては、今後改めてご説明させていただく予定です。

https://www.lucky-bank.jp/news/detail?id=75

 

 

ラッキーバンクは他の事業者と比べて利回りの高いファンドを募集しており、魅力的ですが、行政の勧告が入ってしまった以上、今後は手を出しづらいですね。不動産担保を取るということを売りにしているソーシャルレンディング事業者は、ownersbookやlcレンディング(2つとも上場企業が運営)があります。

今後は例え利回りが低くとも安全性を考えて、これらの会社に資金を移した方がいいかもしれません。

 

ソーシャルレンディング】ラッキーバンク、証券取引等監視委員会から勧告